普段は育休中の家族旅行にぴったりなクルーズ情報をお届けしていますが、今回は番外編。育休中にぴったりな日本発着のクルーズ旅行ではなく、新婚旅行にぴったりな外国発着のクルーズ旅行の魅力について、体験談を交えてご紹介したいと思います。
私たち夫婦が新婚旅行で選んだのは、イタリアの豪華客船MSCファンタジアで巡る西地中海クルーズです。スペイン、フランス、イタリアの美しい港町を訪れ、本場ヨーロッパのクルーズの魅力を満喫しました。新婚旅行だからこそ楽しめる自由な旅のスタイルと、外国発着クルーズのおすすめポイントをたっぷりとお伝えします!
はじめに
こんにちは、”100日後に育休するリーマンくん”です。これまで、育休中に日本発着のクルーズを楽しむスタイルをご紹介してきましたが、今回はちょっとした「番外編」として、新婚旅行にぴったりな“外国発着”クルーズをご紹介したいと思います。
私たちが実際に体験したのは、2016年11月にスペインのバルセロナ発着「MSCファンタジア」で巡る西地中海クルーズ10日間の旅。これまでとは違う、異国ならではの雰囲気や非日常感をたっぷり味わえるハネムーンを体験してきました。このクルーズ旅行は、私たち「夫婦生活」と「クルーズ・ライフ」の原点と言っても過言ではありません!(笑)
子連れでは味わえない余裕を満喫!新婚旅行に選ぶヨーロッパ発着クルーズ
新婚旅行に外国発着クルーズをおすすめする理由
日本発着クルーズも魅力的ですが、新婚旅行ではぜひ“海外発”に挑戦してみてはいかがでしょうか。その理由は以下の通りです。
- 行程をコントロールしやすい:
大人ふたりだけであれば、飛行機の長時間フライトや乗り継ぎ、時差調整などにも柔軟に対応できます。子供がいると、食事やお昼寝、おむつ替えなど予期せぬタイミングで予定が崩れがちですが、新婚旅行なら自分たちのペースでスケジュールを組みやすいのです。 - 身軽で寄港地観光も自由自在:
ベビーカーや抱っこ紐を必要とせず、寄港地での観光や移動が圧倒的にスムーズ。列車での移動や路地裏探検など、アドリブの効く旅が実現します。 - ヨーロッパの本場クルーズ文化を体感:
クルーズ発祥の地ともいえるヨーロッパ発着なら、船内は欧州を中心とした多国籍なお客様が多数。言語や文化が異なる乗客との出会いは、異国情緒たっぷりの新婚旅行ならではの刺激的な体験になります。
実際に体験したMSCファンタジアでの西地中海クルーズ(2016年11月1日~10日)
今回ご紹介するのは、スペインのバルセロナを発着港とする、MSCクルーズ社の「MSCファンタジア」 (MSC Fantasia)による西地中海10日間の旅です。
MSCファンタジアは、フランスの造船所で建造され(2008年12月10日竣工)、エレガントな内装が特徴的な大型客船(旅客定員:最大3900名)。劇場や複数のレストラン、ラウンジ、スパ、そして特別クラスの「ヨットクラブ」専用エリアまで揃え、世界中のクルーズファンたちを魅了しています。
船内公用語は英語が中心で、参加者の大半がヨーロピアン。アジア人はほんの一握りという環境は、日本発着クルーズで味わうことのない新鮮な感覚でした。
成田からバルセロナへ 〜長旅もふたりなら余裕〜
私たちは、成田空港から深夜便で出発し、カタールのドーハ経由でバルセロナへと向かいました。長時間フライトは正直体力勝負ですが、大人ふたりだけなら気持ちの切り替えもしやすく、スケジュールにあわせて睡眠をとったり食事時間を調整したりできます。
成田で出発を待っているとき、同じ便を待っていた日本人女性のお二人組に声をかけられ、写真撮影をお手伝いしたことがきっかけで仲良くなりました。後にわかったのですが、なんとこのお二人もMSCファンタジアに乗るとのこと。出発前から「旅仲間」が増えるのは心強いですね。
実は、この方とは今でもメールやり取りをしていて、娘が産まれた際は出産祝いも頂きました。育休中のクルーズ旅行も「一緒に行きませんか?」とお誘いしたのですが、別なクルーズ旅行とかぶってしまい実現できずでした。
ドーハでのトランジットを経てバルセロナ空港に到着した後は、バスで港へ。車窓から巨大なMSCファンタジアが徐々に近づいてくる様は、胸が高鳴る瞬間でした。乗船手続きを済ませ船内へ入ると、そのゴージャスな内装やスマートな設備に感動。
夕方、船はバルセロナ港を出航し、いよいよクルーズの旅が始まりました。乗船後すぐの避難訓練を終え、身支度を整えてから初めてのクルーズのディナーへ。
旅行会社のはからいでしょうか?今回のクルーズのディナーのテーブルメイトは、なんと私たちと同じく日本の新婚旅行組が3組でした。このときの1組と7年後にMSCべリッシマで奇跡の再会を果たすことになりますが、このときは知る由もありませんでした!
7年後にテーブルメイトと奇跡の再会を果たしたMSCべリッシマのクルーズ旅行の体験記はこちらです。ぜひご覧ください!
アジャクシオ(コルシカ島、フランス)〜船内ツアーから始まる特別な体験〜
翌日到着したのは、ナポレオンの生誕地として知られるフランス領コルシカ島の都市アジャクシオ。午後から下船開始ということもあり、午前中は、オプションの「船内裏側ツアー」に参加してみました。
毎晩行われる華やかなショーの舞台裏、プロ仕様の巨大キッチン、食料用の冷凍倉庫、ランドリー設備、そして最高級客室エリアであるヨットクラブ専用ラウンジなど、普段は立ち入れない領域を案内してもらい、船の運営の複雑さやクオリティに圧倒されました。ツアーには有料レストランでのブリトーのランチも含まれていました。
ツアー後はアジャクシオの街へ。港町らしいのどかな雰囲気が漂い、路地裏に入り込めば可愛らしい花屋さんや甘い香りが漂うケーキ屋さんに出会えます。ゆっくりと街歩きを楽しむ自由さは、やはり子供がいない新婚旅行ならでは。
夕暮れ時に船へ戻り、ディナーを味わい、ラウンジでピアノとボーカルの生演奏に耳を傾け、紅茶やカクテルを楽しむ時間は、贅沢なハネムーン気分をより一層高めてくれました。
新婚旅行では、ドリンクパッケージを購入して、お酒やソフトドリンクやアイスクリームなどを楽しみました!ドリンクパッケージがお得かどうか気になる方は、是非こちらの記事もご覧ください。
ナポリ(イタリア)〜ポンペイ遺跡への小さな冒険〜
次の寄港地ナポリでは、地下鉄と電車でポンペイ遺跡まで足を伸ばしました。最初は地下鉄の駅までの道に迷い、英語で道を尋ねようにも「ステーション」がなかなか通じず苦戦。日本人からすれば英語の「ステーション」で十分伝わりそうなものですが、現地では「スタチオーネ」と発音しないとピンとこない様子(笑)。異文化コミュニケーションの難しさと面白さを身をもって感じました。
異国の電車移動は常にドキドキ。乗り換え駅を間違えないよう他の観光客らしき人たちの動きを参考にしつつ、なんとかポンペイへ到着しました。
有史以来の大噴火で埋もれた街の遺跡を実際に目にしたときは、教科書や本でしか知らなかった世界が目前に広がり、その圧倒的なスケールに感動しました。
日が落ちるころ船へ戻りました。この日は余裕を持って船に戻ってこれたため、デッキからナポリの夜景を眺めたり、ビュッフェでピザを食べたり、ラウンジやシアターで音楽やショーを楽しんだり、気の向くままに自由な時間を過ごしました。
客室に戻ってくると、新婚旅行を祝うかのように部屋にはワインとおつまみセット(←いわゆる日本のおつまみではなく、洋風のおしゃれなヤツです)が用意されていて嬉しいサプライズ!
また、深夜には船内を探検し、人影ないバーやラウンジを写真に収める「プチ冒険」も。
ラスペツィア(イタリア)〜フィレンツェ、ピサ、そして想定外のトラブルも楽しめる余裕〜
続く寄港地ラスペツィアからは電車でフィレンツェへ向かいました。途中、ピサの斜塔があるピサを通過し、歴史と芸術が息づくフィレンツェに到着しましたが、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の開館時間に間に合わず中には入れず。周辺の街並みを散策することに。
また、ヴェッキオ橋だと思って写真に収めた橋が、後から確認すると聖トリニタ橋だったというお茶目なハプニングも。
帰路の電車では停電や設備トラブルで何度も停車し、そのたびに「船の出港時間に間に合うのか?」とヒヤヒヤ。乗り換え駅で乗客全員が一斉に猛ダッシュ(子連れではムリですね)して別ホームの列車に乗り込む光景は、ちょっとしたアドベンチャーでした。無事に船に戻れたときの安堵感と達成感は、新婚カップルならではの「ふたりだから乗り越えられる」思い出に。
夜はショーを観る予定でしたが遅刻して途中参加に。それでもマイケル・ジャクソンのトリビュート・ショーは大盛り上がり。マイケル・ジャクソンのショーの後には、ステージのスタッフによる「Merci 」、「Danke」、「Gracias」、「Grazie」などの各国の言葉で「ありがとう」を伝えるフィナーレ演出に、思わず感涙。乗船客は自分たちの国の言葉が現れると会場の各所で大歓声が沸き起こりました。観客の盛り上がり方が日本とはレベル違いです!
翌日寄港するジェノバにて最終下船する人が多いため、このような演出がされていたようです。この国際色豊かな体験が、新婚旅行気分をさらに高揚させました。
(「各国の言葉で「ありがとう」を伝えるフィナーレ演出」のアイデアは、一年後の結婚式での上映ムービーで使わせて頂きました。結婚式にはドイツ、オーストラリア、台湾、韓国など各国からも参列してもらったので。)
ジェノバ(イタリア)〜歴史ある街並みに溶け込むような散策〜
ジェノバでは古い教会(ジェノヴァ大聖堂)に入り、裏路地を探検し、街中の広場(ジャコモ・マッテオッティ広場)で出店でサラミを購入。成田で知り合った婦人たちと夜更かしのお供にしようと考える自由さも、子供連れでは難しい遊び心です。歴史的建造物やジェノヴァ王宮、ジェノヴァ市役所なども見学し、ヨーロッパらしい深い歴史を肌で感じました。
カンヌ(フランス)、モナコ、エズ村 〜ラグジュアリーと香りの旅〜
カンヌでは大型船が直接接岸できず、小型ボートで上陸する体験もユニークでした。オプショナルツアーに参加し、バスでモナコに移動しました。F1で名高いモナコの街並みを間近で見たとき、「あのアイルトン・セナが走ったコース!」と感動が溢れました。その後はエズ村の高台近くにあるフラゴナール(Fragonard Boutique Èze)の香水工場見学へ。説明は英語とイタリア語の二か国語でしたが、細かい内容はわからずとも、美しいモナコ景色と香りの漂う工場見学は五感で楽しめました。
パルマ・デ・マヨルカ(スペイン)〜のんびりとした港町と丘上のベルベル城〜
パルマデマヨルカでは、午前中は船内で音楽やビュッフェを楽しみ、ゆったりと過ごした後、午後に上陸。港周辺を散策した後、2階建てバスで丘の上のベルベル城へ向かい、港を見渡す絶景に心を奪われました。ベビーカーや抱っこ紐も必要ないから、こうした自由な観光プランが思い切り楽しめるのです。
バルセロナへ帰港 〜余韻を胸に〜
最終日、バルセロナに再び戻り、MSCファンタジアを下船。時間が限られていたため、サグラダ・ファミリアは遠目に眺める程度でしたが、それもまた次回訪れる楽しみとして残しておけます。短いトランジット時間を上手にやりくりできるのも大人ふたり旅の強み。免税手続きやお土産選びを済ませ、帰路につきました。
まとめ
なぜ新婚旅行こそ外国発着クルーズ? 体験をふりかえって
振り返ってみると、外国発着のクルーズは新婚旅行にぴったりでした。ヨーロッパという本場のクルーズ文化に触れ、国際色豊かな環境で思い切り非日常を味わえるのは特別な体験。ふたりだけだからこそ、以下のようなメリットを存分に活かせます。
- 臨機応変に行程を組み立てられる:
時差調整や観光スケジュールの変更も柔軟。空いた時間で新たな観光地へ足を伸ばしたり、思わぬトラブルも笑い話にできる余裕があります。 - 自分たちのペースで旅ができる:
ベビーカーや抱っこ紐なしで、山も丘も迷路のような路地裏も気軽に歩けます。アドリブを効かせて「ここに立ち寄ってみよう」といった思いつきの観光も楽々実現。 - 出会いと異文化交流を楽しめる:
欧州中心の多国籍な乗客と肩を並べ、ディナーを囲んだりショーを楽しんだり。「ありがとう」のメッセージが様々な言語で響くシアターで、人種や国境を超えた一体感を味わえます。 - 何より新鮮な思い出が作れる:
日本発着では味わえない、異国情緒たっぷりの風景や文化、そして数々のハプニングがふたりの記憶に刻まれます。
新婚旅行は、ふたりの新しい人生が動き始める大切な節目。「外国発着」という少しハードルの高い冒険こそ、ふたりの絆を強め、忘れられない物語になるはずです。次の新婚旅行や特別な旅行を計画中なら、ぜひ本場ヨーロッパのクルーズに挑戦してみてくださいね。きっと、かけがえのない思い出が待っていますよ!
とはいえ、今回ご紹介した外国発着クルーズは新婚旅行だからこそ楽しめるスタイル。もし育休中で赤ちゃん連れのクルーズ旅行をお考えなら、やはり日本発着のクルーズがいちばん安心で快適です。赤ちゃんとの初めての船旅は、日本語スタッフや国内寄港地ならではの丁寧なサポートが受けやすく、心おきなく家族の思い出作りに集中できますね。
育休を取得した私たちが、なぜクルーズ旅行に行こうと思ったのかは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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